企業を読み解く

同じトマトでも、ジュースになるトマトは何が違うのかがくの取れる品種、大きさを問わない規格、植える前に決まる値段

公開 2026年11月2日

白い背景に、水滴のついたグラスに入ったトマトジュースと、丸のままのトマト1個、くし形に切ったトマト3切れ。人・文字・商品のラベルは写っていない。
トマトジュースとトマトのイメージ。カゴメ・ナガノトマトの商品や、記事で紹介した畑のトマトではありません(写真: PublicDomainPictures / Wikimedia Commons, CC0)

店のトマトは未完熟で採り、がくを残す。ジュース用は畑で完熟させ、がくが取れる品種を使う。カゴメとナガノトマトの資料、ALICの調査報告、国の統計から、色・規格・取引の決まり方・真夏の収穫まで、ジュースになるトマトをたどります。

店に並ぶトマトの多くは、緑のへた(がく)を付けたままです。ところが、トマトジュースになるトマトは、収穫するときに、がくが実から取れるように品種がつくられています。がくの付いた実は、ジュースの製造ラインに入れられないからです。

同じ「トマト」でも、ジュースにするトマトには、店に並ぶトマトとは違う性質が求められます。色、熟し方、がく、育て方。そして、取引の決まり方も違います。農畜産業振興機構(ALIC)の調査報告にある長野県のナガノトマトの事例と、カゴメの公開資料、国の統計から、ジュースになるトマトをたどります。

Workerプラス編集長より

先にまとめると

  • ジュース用は畑で完熟させ、がくが取れる品種。店のトマトと逆の点が多い
  • 作付け前に面積と価格を決める契約の例。価格の決め方や指導は会社・地域で違う
  • 加工用トマトの収穫量は2023年産で26,100t。北海道で増えている

(1・2点目は調査報告と会社の資料から、3点目は国の統計から)

1.がくが取れるトマト――店のトマトと、何が逆なのか

ALICの『野菜情報』2025年5月号に載った調査報告(木村彰利・日本獣医生命科学大学教授)は、ナガノトマトへの聞き取りなどをもとに、ジュース用と生食用の違いを表にまとめています。

項目ジュース用トマト生食用トマト
果肉の色深い赤色ピンク(または黄色)
育て方露地による無支柱栽培支柱栽培(施設栽培あり)
収穫時期7〜9月に適宜収穫収穫期間中に適宜収穫
収穫時の熟度完熟未完熟(流通過程で追熟)
がく実にがくのない状態で収穫実にがくを付けて収穫

(『野菜情報』2025年5月号の表3をもとに作成。表の資料はナガノトマトと2024年の聞き取り)

いちばん大きな違いは色だ、と報告は書いています。生食用は「サラダなどに用いた時においしくみえるよう、赤よりもいくらかピンクがかった色」。ジュース用は「加工後の発色の良さを目的とした品種改良」がされ、果肉が真っ赤に色づきます。

熟し方とがくの違いは、トマトがたどる道のりから来ています。生食用は、産地からスーパーの店頭に届くまでに時間がかかるため、畑では未完熟で収穫し、流通の途中で追熟させます。がくは、取れると商品価値が損なわれるので、取れにくいように品種が改良されてきました。ジュース用は、収穫してから時間をおかずに加工場へ運ぶので、畑で完熟させてから収穫します。がくの付いた実は製造ラインに投入できないため、収穫のときにがくが取れる品種が開発されています。

育て方も違います。生食用は、形がそろい色むらがないことが求められ、支柱を立てて枝を支えます。ジュース用は、作業を省くために、畑に敷いたビニールマルチの上に枝を直接はわせる「無支柱栽培」です。露地で育てるぶん、生育は天候に大きく左右されます(農林水産省の広報誌、2022年8月号)。

品種から、つくり直す

ナガノトマトは、もとは生食用の品種を使い、その後、既存の加工用品種や生食・加工兼用の品種に移りました。生食用の品種は、いまのジュース用品種に比べて色が淡く、原料としての適性が低かったといいます。同社は1978年に試験圃場を置き、約10年の育種を経て、1988年に最初の自社品種「NT604」を登録しました。いまも主力の品種です。自社で開発したジュース用品種をまとめて「愛果(まなか)」と呼び、生産者はその中から自分に合う品種を選びます。どの品種でも加工後の品質に差がないため、製造ラインに入れるときは品種を区別せずに扱っています。

カゴメも、統合報告書2026の歩みの図に、1963年からの原材料作物の品種改良、1972年からの国産のトマト収穫機の開発、1993年の「収穫効率の良いジュース用トマト開発」を並べています。

NouManの読み解き事実を踏まえた、Workerプラス編集長の見方

店に並ぶトマトにとっての「よさ」と、ジュースになるトマトにとっての「よさ」は、いくつかの項目で逆向きです。どちらが上ということではなく、収穫してから使われるまでの道のりが違うからだ、と読めます。店まで日数のかかるトマトは未完熟で採り、がくを残す。すぐ加工場へ運ぶトマトは畑で熟し切らせ、がくを落とす。性質は、そのトマトがどこを通って何になるかと結び付いています。

2.何を見て受け取るのか――規格の一例

では、ジュース用トマトは、何を見て受け取られるのでしょうか。同じ報告に、ナガノトマトの出荷規格が載っています。

項目1等2等
熟度着果状態で完熟すること同左
色調表面はトマト標準色と同等以上、果肉は品種固有の良好な赤色1等に準ずる良好な赤色
鮮度良好なもの良好なもの
形状良好なもの加工に支障をきたさないもの
つぶれ・かび・腐敗・病害虫ないものないもの
実割れ割れ口が渇き変色していないもの割れが浅く変色していないもの
日焼け・肩部の黄色・肩部の緑色表面積の合計が10%以下のもの表面積の合計が20%以下のもの

(ナガノトマトの規格。『野菜情報』2025年5月号の表5をもとに作成)

項目に、大きさがありません。熟度は「着果状態で完熟すること」、つまり木になったまま熟していること。2等の形は「加工に支障をきたさないもの」です。報告によると、表にない熟度・色調・鮮度などの詳しい基準があり、選別はそれにもとづいて行われます。選別は生産者が行い、会社から借りたコンテナに20kgずつ詰めて、JAの集荷所に持ち込みます。

長野県のJA松本ハイランドも、ジュース用トマトの生産者を募集するページで、「加工基準を満たせば、サイズの選別などは必要ないのでコンテナに入れてどんどん出荷できます」と説明しています(ナガノトマトの契約生産者91人のうち74人が、このJAの組合員です)。

カゴメも「品質規格を含む契約」を結ぶと書いていますが、規格の中身は公開資料にはありません。報告の冒頭には、加工食品の原料野菜は「それを使用する企業ごとに求めるものが異なることも多い」とあります。上の表は、あくまでナガノトマトの例です。

NouManの読み解き事実を踏まえた、Workerプラス編集長の見方

ナガノトマトの規格は、熟しているか、色、傷みや割れ、日焼けを見る一方で、大きさは問わず、形も2等なら「加工に支障をきたさない」ことが条件です。ジュースの工場では、トマトを洗い、異物や不良な実を取り除いてから、つぶして搾ります(報告にある委託先の工程)。丸のままの姿で売られるわけではないので、見られているのは中身の色と熟し具合、そして工程に入れられる状態かどうか、と読めます。同じ畑の同じ実でも、行き先によって、評価される点が入れ替わります。

3.値段は、植える前に決まる

ジュース用トマトの取引では、植える前に面積と価格が決まる形が、2社の資料に共通しています。ただ、その決め方は、会社や地域で違います。

カゴメナガノトマト(長野方式)
いつ、何を決めるか調達の前に、品質規格を含む契約。面積契約では、面積や価格などを確定してから栽培を依頼作付けの前に、JAを介して面積契約。その段階で納品価格が決まっている
価格の決め方公開資料に記載なし年に1回、全農長野県本部と県内6社の製造業者が決める統一価格
受け取るもの「規格に適合する全量」生産者が規格に沿って選別したもの
種・苗カゴメが種子や苗を提供会社が種子を管理し、生産者かJAに提供。育苗は生産者かJAの育苗センター
栽培の指導「フィールドパーソン」が畑を巡回会社の担当者とJAの営農指導員が連携

(カゴメの列は、会社全体の公開資料の記載。長野方式を採る県内6社の社名は、報告には書かれていません)

カゴメは、トマトジュースなどに使う国産の加工用トマトについて、「『面積契約』による調達方式の場合、面積や価格等を確定した上で栽培を依頼し、収穫されたトマトは規格に適合する全量を買いとります」と書いています。2022年の広報誌によると、契約栽培は16の道県で、契約農家の畑は全国で約300ha。2022年時点で、そのうち約70haが茨城県南西部にありました。記事では、9人(男性8人・女性1人)のフィールドパーソンが、それぞれ担当エリアの畑を巡回していると紹介されています。

長野県の「長野方式」では、製造業者・全農長野県本部・JAの3者が役割を分けて契約し、栽培は製造業者がJAと連携して指導します。県内に生産拠点を置く6社が、この方式を採っています。価格は「契約生産者の生産コストや再生産価格などを踏まえながら決定」されますが、契約価格そのものは公開されていません。

2024年のナガノトマトの契約生産者は91人、契約面積は計1,800a(1人平均19.8a)。規模は1aから328aまでまちまちで、会社が考える適正な規模は「夫婦2人で10アール」だといいます。生産者の数は、毎年10%程度ずつ減っています。

NouManの読み解き事実を踏まえた、Workerプラス編集長の見方

「作付け前に面積と価格を決め、規格に合うものを受け取る」という骨組みは、カゴメの面積契約とナガノトマトの契約に共通しています。一方で、価格を誰がどう決めるか、栽培を誰が支えるかは違います。カゴメでは会社の担当者が畑を回り、長野方式では会社の担当者とJAの営農指導員が連携し、価格は全農長野県本部が会社と決めます。加工用トマトの契約を一つの型として語るより、相手の会社と地域ごとに確かめる必要があるもの、と見えます。

4.真夏の収穫と、10aの試算

ジュース用トマトの畑の一年(長野と茨城の例)

ジュース用トマトの畑の一年を、1月から12月の帯で示した図。長野(JA松本ハイランドの栽培スケジュール)は、3月中下旬から種まき・育苗、5月上中旬に定植、5〜7月に防除や追肥、7月下旬〜9月上旬に収穫。茨城(2022年の広報誌で紹介されたカゴメの契約農家の畑)は、3月中旬に苗が届き、4月中旬以降に定植、7月以降に収穫し、ピークは7月後半と8月。どちらも収穫は真夏に集まる。
※2か所の例で、ジュース用・加工用トマトの作り方の全体ではない。地域・会社・年によって時期は変わる
※長野の苗は、初めての栽培では購入苗から始められると書かれている。茨城の苗はカゴメから届く
対象: 2か所の例だけ(長野はナガノトマトなど県内の会社と契約する生産者の募集ページ、茨城はカゴメの契約農家1軒の畑)、長野: JA松本ハイランドの栽培スケジュール(2025年3月更新のページ)/茨城: 2022年8月の農林水産省の広報誌の記載/単位: 月/時期は各資料の書き方のまま。茨城の収穫は「7月以降」で、ピークは「7月後半と8月に入ってから」とある。終わりの月は書かれていないため、帯を8月までの薄い色にした。茨城の定植も「4月中旬以降」とだけあり、終わりの記載がないため、帯の5月までは推定
出典: JA松本ハイランド「ジュース用トマト新規生産者募集」(2025年3月24日更新)、農林水産省 広報誌 aff 2022年8月号「トマト農場を訪ねて」

ジュース用トマトの収穫は、真夏に集まります。JA松本ハイランドの栽培スケジュールでは、収穫は7月下旬から9月上旬で、「お盆前後が収穫のピーク」。ナガノトマトの生産者は、作業が集中しないよう、赤くなった実から時期をずらして何回かに分けて収穫しています。カゴメは、国産の加工用トマトの調達での大きな課題を生産者の高齢化とし、その一番の原因を、収穫が7月下旬から8月中旬の最も暑い時期に集中し、手作業の収穫が過重な負担になっていることだと書いています。

手で採るか、機械で採るかも、会社や畑で違います。ナガノトマトは手収穫です。報告によると、収穫機を使えば1日あたり15aを処理できますが、収穫機は一台2,000万円で、規模の小さい生産者には導入が難しいとされています。同社は、生産者への収穫機の貸与を検討しています。カゴメは、農業機械メーカーと共同で収穫機「Kagome Tomato Harvester(KTH)」を開発し、作業効率は人手の約3倍、1人1日あたり1.8tを収穫できると説明しています。茨城県では2017年から、収穫機と作業者をセットで派遣する取り組みを続けています。

一方で、2022年の広報誌が訪ねた茨城県八千代町の畑では、機械収穫に適した品種もあるなかで、夏に限定販売される「カゴメ トマトジュース プレミアム」に使う、手摘み用の品種を育てていました。担当のフィールドパーソンは、「手摘み用品種のほうがゼリー部分のうま味が若干多いんです」と話しています。赤く熟した実だけを手でもぎ、約20kgのコンテナで畑から運び出します。

10aあたりの試算

JA松本ハイランドは、生産者を募集するページで、10aの収穫量が6.5tの場合の売り上げ目標を37万円、生産経費を約17万円、所得を約20万円としています。参考として、10aあたりの収穫量は2022年が平均7.2t、2021年が平均6.0tでした。同じページの別の箇所には、集荷・施設利用などの手数料は別にかかる、との注記もあります。

報告は、この試算を契約生産者の平均の作付面積19.8aに当てはめると、手取りはおおよそ40万円と見積もっています。契約生産者の多くは、りんごなどの果樹や水稲と組み合わせて作っています。秋以降に収穫する作物が多いなか、夏に収穫して比較的速やかに代金が支払われるジュース用トマトは、夏場の収入源になっている、と報告は書いています。

NouManの読み解き事実を踏まえた、Workerプラス編集長の見方

試算は一つのJAが示した目標の数字で、天候や収量、手数料によって実際の所得は変わります。それでも、「夏に収穫が集まり、秋の作物の前に代金が入る」という時期の組み合わせは、価格だけでは見えない、この作物の位置づけを示しているように読めます。一方で、その収穫は一年で最も暑い時期の作業でもあり、機械を入れられるかどうかは、規模や会社の仕組みによって変わります。

5.国の統計で見る、加工用トマトの畑

農林水産省の野菜生産出荷統計は、トマトのうち「加工用トマト」を分けて集計しています。2023年産の加工用トマトは、作付面積479ha、収穫量26,100t(全国)。産地別の収穫量は、茨城11,700t、長野5,970t、北海道3,010tの順でした。この区分の値は、2024年産では示されていません。

加工用トマトの収穫量(全国と主な3道県)

加工用トマトの収穫量の折れ線グラフ(2014年産〜2023年産)。全国は2014年産の34,100tから2020年産の20,500tまで減り、2023年産は26,100t。茨城は1万〜1万3千t台で、2023年産は11,700t。長野は2014年産の11,600tから2023年産の5,970tへ、ほぼ半分に。北海道は2020年産まで1,000t前後かそれ以下だったが、2022年産2,640t、2023年産3,010tに増えた。
※全国と、2023年産の収穫量が多い茨城・長野・北海道
※収穫量は「生食用又は加工用として流通する基準を満たすもの」の重さ(統計の用語の説明)
※年ごとの増減には、作付面積と天候による10a当たり収量の両方が関わる。どの会社との取引の量かは、統計からは分からない
※図の値は公表値(t)を1,000で割ったもの
対象: 統計の「加工用トマト」の区分、2014〜2023年産(2024年産は、この区分の値が示されていない)/単位: 千t(1,000t)/いずれも公表値(確報)
出典: 農林水産省「野菜生産出荷統計」確報 各年産「都道府県別の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量 トマト うち加工用トマト」(e-Stat)、同「品目別作付面積、収穫量及び出荷量累年統計 果菜類 全国」

2014年産と比べると、全国の収穫量は34,100tから26,100tへ減りました。長野は11,600tから5,970tへ、ほぼ半分です。北海道は2020年産まで1,000t前後かそれ以下でしたが、その後増え、2022年産は2,640t、2023年産は3,010tです。

トマト全体の出荷量を、出荷先の用途で分けた統計もあります。2023年産の出荷量622,500tのうち、加工場などへの「加工向け」は28,700tで、4.6%(NouManの計算)。トマトの大半は、生で食べる用途に向けて出荷されています。この「加工向け」と、品目の区分としての「加工用トマト」の出荷量(25,900t)は、集計の区分が違い、数字も一致しません。

トマト全体の出荷量を、出荷先の用途で分けると

2023年産のトマト全体の出荷量を用途で分けた横棒グラフ。生食向け586,200t、加工向け28,700t(出荷量の計622,500tの4.6%)、業務用向け7,640t。加工場などへ向けたトマトは、出荷量全体の5%に満たない。
※「加工向け」は、加工場または加工する目的の業者に出荷したもの、加工されることが明らかなもの。「業務用向け」は学校給食・レストランなど外食・中食の業者へ出荷したもの(統計の用語の説明)
※加工向けの割合 4.6% は、出荷量の計 622,500t に対する NouMan の計算
※品目の区分としての「加工用トマト」の出荷量(25,900t)とは、集計の区分が違い、数字も一致しない
対象: 全国のトマト全体(生食用・加工用を含む)、2023年産/単位: t/出荷量は公表値。割合はNouManの計算
出典: 農林水産省「野菜生産出荷統計」令和5年産 確報「都道府県別の用途別出荷量 トマト」(e-Stat)

加工の原料は、国内の畑だけから来ているわけではありません。カゴメは統合報告書2026で、「当社の国内加工食品事業において、使用原材料の多くは海外原産地から輸入しています」と書き、20ヶ国以上の産地からの輸入を挙げています。ナガノトマトも輸入トマトを併用し、長野県産は差別化商品のトマトジュースやケチャップに使っています。

これからについて、カゴメは同じ統合報告書で、北海道に新しい国産トマト工場を新設する(2028年稼働開始予定)と書いています。社長メッセージでは、自社の強みを「安定した原材料調達力と契約農家との関係性」としつつ、「気候変動の影響などにより、現在の状態を維持し続けられるのかは不透明」と述べています。統計では、北海道の加工用トマトは2021年産から増えています。ただ、それがどの会社との取引によるものかは、統計からは分かりません。カゴメの北海道の工場は、2028年の稼働を予定する、これからの計画です。

6.農家から見ると:自分の作物の「よさ」は、どこで決まるのか

ここからは、NouManの読み解きです。2社の例をもとにしたもので、加工用トマトの取引全体の話や、特定の会社が生産者を求めているという意味ではありません。

NouManの読み解き事実を踏まえた、Workerプラス編集長の見方

  • 畑を出てから、どれだけの時間で使われるのか。 店まで日数がかかるトマトは未完熟で採り、加工場がすぐのトマトは畑で熟させます。自分の作物は、畑を出てから何日後に、どこで使われているでしょうか
  • 相手は、実のどこを見ているのか。 ナガノトマトの規格には大きさの項目がなく、色と熟度、傷みや割れを見ます。いまの取引先が実際に見ているのは、姿でしょうか、中身でしょうか
  • 値段は、一年のどの時点で決まるのか。 植える前に値段が決まる取引もあれば、出荷のときに決まる取引もあります。自分の作物の値段は、いつ、誰と決めているでしょうか
  • 夏の手間を、誰がどう分けているのか。 真夏の収穫を、機械や作業者の派遣で支える会社もあれば、時期をずらして分ける生産者もいます

一杯のトマトジュースをさかのぼると、がくが取れるように選ばれてきた品種と、支柱のない畑と、お盆前後の収穫と、植える前に決まっていた値段に行き着きます。同じトマトでも、何になるかで、よいとされる姿が変わります。

補足

この記事は、2026年11月2日時点の公開資料をもとにしています。最新情報は、各社・各機関の公式サイト等でご確認ください。

出典

  • 食品製造業者による加工原料野菜の契約取引〜株式会社ナガノトマトによるジュース用トマトの生産〜(『野菜情報』2025年5月号、木村彰利) 独立行政法人 農畜産業振興機構(ALIC)、2025年5月(2026年11月2日確認) ALIC(PDF)
  • 統合報告書2026 カゴメ株式会社(2026年11月2日確認) 公式IR(PDF)
  • 会社案内 KAGOME STORY 2025 カゴメ株式会社(2026年11月2日確認) 公式(PDF)
  • 生物多様性保全(サステナビリティ、公式サイト) カゴメ株式会社(2026年11月2日確認) 資料を開く
  • 広報誌 aff 2022年8月号「トマト農場を訪ねて」 農林水産省、2022年8月(2026年11月2日確認) 資料を開く
  • ジュース用トマト新規生産者募集 松本ハイランド農業協同組合(JA松本ハイランド)、2025年3月24日(2026年11月2日確認) 資料を開く
  • 野菜生産出荷統計 令和5年産 確報「都道府県別の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量 トマト うち加工用トマト」(2014〜2022年産は各年産の同じ表) 農林水産省(e-Stat)(2026年11月2日確認) e-Stat(Excel)
  • 野菜生産出荷統計 令和5年産 確報「都道府県別の用途別出荷量 トマト」 農林水産省(e-Stat)(2026年11月2日確認) e-Stat(Excel)
  • 野菜生産出荷統計「品目別(季節区分別)作付面積、収穫量及び出荷量累年統計 果菜類 全国」 農林水産省(e-Stat)(2026年11月2日確認) e-Stat(Excel)
  • 作物統計調査(野菜)調査の概要・用語の説明 農林水産省(2026年11月2日確認) 資料を開く

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